業界初 大判図面向けクラウドサービス「TerioCloud」を開発
CADから紙図面同等のPDFを出図、タブレット端末で閲覧・加筆し、長期保管も実現

セイコーインスツル株式会社(略称:SII、社長:新保雅文、本社:千葉県千葉市)の100%出資子会社で大型プリンターを製造販売している株式会社セイコーアイ・インフォテック(略称:SIIT、社長:久保信夫、本社:千葉県千葉市)は、この程、建設・建築業界を主な対象とした、デジタル図面の活用と長期保存を行なうクラウドサービス「TerioCloud(テリオクラウド)」を業界で初めて開発しました*1。サービス開始は12月下旬の予定です。

大判デジタル図面の活用と長期保管のクラウドサービス「TerioCloud」のシステムイメージ図

 

建設・建築業界では物件の竣工までに大量の大判図面を使用します。これらは一般的にCAD*2で作図され、大判プロッターやプリンターで紙出力されます。そして、紙図面は施工現場で書き入れや修正が行なわれた後、紙やマイクロフィルムの状態で、10年間(建設業法)、あるいは15年間(建築士法)以上保存されます。建築物の品質確保・品質保証のため、保存図面は大変重要なものですが、施工時の加筆修正や修正図面の集約にかかる手間および誤記の可能性、また、保存時の劣化やコスト負担といった課題がありました。

SIITでは、40年間にわたりCAD用大判プリンターを開発・製造してきた図面作成ノウハウと、SIIのタイムスタンプ技術を結集してこの課題に取り組み「TerioCloud」を開発しました。「TerioCloud」はCADデータから紙図面と同じ表現のPDFやTIFFのデジタル図面をクラウドで出図し、iPadなどのタブレット端末を用いて施工現場で閲覧・加筆修正ができます。そして、安全・長期にデジタル保管が可能な画期的なクラウドサービスです。長期保管しているデジタル図面はSIITの大判マルチファンクションプリンター「Teriostar(テリオスター)」シリーズで印刷すれば、CADから直接印刷するのと同等の品質で紙図面を出図できる、まさに紙とデジタルを融合したサービスです。

【TerioCloudの主な特徴】

1. CAD出力データを、紙図面と同じ表現でデジタル出図
CADもしくはCADから出力したHP-GL*3データがあれば、紙印刷図面同等のPDFもしくはTIFFで「TerioCloud」の運用保管庫(クラウドサーバ)へ出図できます。これにより、紙に印刷してからスキャナーで読むといった手間から開放され、精度および生産性が向上します。またPDFはベクターデータで構成しますので、拡大表示をしても図形が美しく保たれ、また、非常にコンパクトなサイズで保管することができます。

2. タブレット端末での大判図面の閲覧・加筆
「TerioCloud」の運用保管庫(クラウドサーバ)で管理されるPDFもしくはTIFFの大判図面を、iPadなどのタブレット端末表示用に最適化し、高速に、かつ快適に閲覧することができます。さらに、表示した図面上に、紙図面にペンで手書きするのと同じ感覚で書き入れが出来る加筆機能、iPad上で距離が測れるスケール機能、同一原図に複数のiPadで書き入れた後、これらの図面を編集・統合する機能など、数々の現場のニーズを取り入れました。

3. PDF図面等をクラウドサーバで安全に長期に保管
図面等は建設業法で10年間、建築士法で15年間の保存義務があります。「TerioCloud」はPDF図面等を長期保管庫(クラウドサーバ)で保管できます。保管では、認定タイムスタンプを使ったJIS規格準拠の、SIIの長期署名サービス「eviDaemon(エビデモン)*4」を採用していますので、紙やマイクロフィルムに替わり、長期間にわたって証拠性を担保することができます。

【サービス開始】  
2011年12月下旬予定

【展示会出展】
10月5日から7日までインテックス大阪で開催される「関西設計・製造ソリューション展」および、 10月12日から14日まで東京ビッグサイトで開催される「eドキュメントJAPAN2011」に、「TerioCloud」を出展いたします。

【注記】
*1 SII調べ、2011年9月現在。
*2 CAD:Computer Aided Design、コンピューターを用いた設計。建築だけでなく、機械や電子機器などでも用いられる。
*3 HP-GL:Hewlett-Packard Graphics Language、HPが作った業界標準となっている図面作成用のプロッター制御言語。
*4 eviDaemon:JIS規格「JIS X5093:2008(XAdES)」に準拠した長期署名フォーマットデータの生成と検証が可能な、SIIが提供するサービス。

文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。

 

以上

この件に関するお問い合わせ先 マスコミ セイコーインスツル株式会社
総合企画本部 秘書広報部
TEL:043-211-1185 一般のお客様 株式会社セイコーアイ・インフォテック
経営企画管理部
TEL:043-211-1310
http://www.seiko-i.co.jp/

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。
ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。