ウェアラブル機器向けパワーモニタ端子付きLDOレギュレータのサンプル出荷を開始
~業界初 分割したバッテリ電圧をアナログ値として出力可能なパワーモニタ端子を搭載~

 

 

 セイコーインスツル株式会社(社長:村上 斉、本社:千葉県千葉市、以下:SII)の関連会社で、半導体の製造・販売を行うエスアイアイ・セミコンダクタ株式会社(社長:石合 信正、本社:千葉県千葉市、以下:エスアイアイ・セミコンダクタ)は、ウェアラブル機器向けとしてバッテリ寿命の長期化を実現するパワーモニタ端子付きLDOレギュレータ「S-1740/S-1741シリーズ」を開発し、3月よりサンプル出荷を開始します。

 LDOレギュレータは、出力電圧を一定に保つよう制御するICです。本製品「S-1740/S-1741シリーズ」は、業界で初めてパワーモニタ端子を搭載したLDOレギュレータです。このパワーモニタ端子により、分割したバッテリ電圧をアナログ値として出力することができます。外付け抵抗なしで、マイコン側でバッテリ電圧の監視ができ、またバッテリ電圧による機器の動作の切り替えが可能となります。これにより、バッテリ寿命の長期化を実現します。

 ウェアラブル機器などには、低電圧で動作するマイコンが使用されていますが、従来のLDOレギュレータでバッテリ電圧を監視する場合、バッテリ電圧がマイコンの耐圧を超えてしまうため、外付けの抵抗で分圧してからマイコンのADC端子に入力する必要がありました。これに対して、本製品「S-1740/S-1741シリーズ」では、パワーモニタ端子からバッテリ電圧を分割した電圧(バッテリ電圧の1/2または1/3)をアナログ出力として、直接マイコンのADC端子に入力することすることができます。これにより外付け抵抗が不要になります。さらにアナログ出力のため、マイコン側で、バッテリ電圧に対する複数の閾値を設定することができます。例えば、バッテリ電圧がある値まで下がった場合には通信機能をオフにし、データのログのみを記録することや、さらに電圧が下がった場合には機器の誤動作を防止するようにスタンバイにして、消費電力をオフにすることなどが考えられます。このようにバッテリ電圧によって機器の動作を切り替えることが可能になります。

 また、LDOレギュレータ部は0.35μAの超低消費電流のため、機器全体の消費電流を抑えることができます。さらに、超小型/低背パッケージHSNT-6A(1.2×1.2×0.4mm)に搭載することで、機器の小型化、薄型化にも貢献できるウェアラブル機器に最適なLDOレギュレータとなっています。

 近年、ビッグデータの活用によるIoT社会が到来しつつあります。その端末として使われるセンサーノードおよびウェアラブル端末には、小型であることはもちろん、低消費電流によるバッテリの長寿命化が課題になっています。本製品は、これらの課題に対応し、Bluetooth機器、ウェアラブル機器などのアプリケーションに最適な製品となっています。従来より、SIIの半導体事業部として、ウェアラブル機器、IoTへの貢献をしてまいりましたが、エスアイアイ・セミコンダクタにおいても、さらにこれらの製品の拡大を進めてまいります。

 

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【主な特長】

1.パワーモニタ端子搭載

 新開発のパワーモニタ端子は、バッテリ電圧を分割した電圧(1/2または1/3)を出力可能な端子です。これにより従来、外付けの抵抗で分圧して入力する必要のあった低電圧マイコンのADC端子に直接電圧を入力することが可能になります。また、パワーモニタ端子の出力は、イネーブル端子でオン/オフを切り替えることが可能です。これにより、電圧を間欠動作で監視することが可能になり、更なる低消費電流化が可能になります。また従来の構成で使用していた分圧抵抗やFETが不要になる為、実装面積も低減することができ、機器の小型化に貢献します。

2.超低消費電流0.35μAを実現

 ウェアラブル機器のために極限まで小さくした動作時消費電流は、当社従来品の0.9μAの半分以下の低消費電流0.35μAを実現しています。これによりバッテリ寿命の長期化に貢献します。

3.世界最小クラスの1.2mm角モールドパッケージに搭載

 1.2mm角のモールドパッケージを採用し、高さは、0.4mm (max)と低背 、重さは1.6mgと超軽量で、世界最小・最軽量クラス(*)を実現しています。その為、基板面積が限られたウェアラブル機器に最適です。また、標準的なSOT-23-5パッケージ(2.9×2.8×1.3mm)も用意しております。

*2016年1月12日現在、当社調べ

 

【主な仕様】
・ 出力電圧:1.0 V ~ 3.5 V間において0.05 Vステップで選択可能
・ 入力電圧:1.5 V ~ 5.5 V
・ 出力電圧精度:±1.0% (1.0 V ~ 1.45 V出力品 : ±15 mV)
・ ドロップアウト電圧:20 mV typ. (2.5 V出力品、IOUT = 10 mA)
・ 動作時消費電流:レギュレータ部: 0.35 μA typ.、パワーモニタ部: 0.15 μA typ.
・ 過電流保護回路 内蔵:出力トランジスタの過電流を制限
・ パワーモニタ出力電圧:S-1740:VIN/2、S-1741:VIN/3
・ パワーモニタ出力コンデンサ:セラミックコンデンサが使用可能(100 nF~ 220 nF)
・ パワーモニタ イネーブル回路 内蔵:バッテリの長寿命化に対応可能
・ 鉛フリー (Sn 100%)、ハロゲンフリー

【用途例】
・バッテリ使用機器の定電圧電源およびバッテリ電圧の監視補助
・ウェアラブル機器、携帯通信機器、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤー等の定電圧電源
・家庭用電気製品の定電圧電源

【Webサイト】
http://www.sii-ic.com/jp/semicon/

 

以上

この件に関するお問い合わせ先 マスコミ セイコーインスツル株式会社
総合企画本部 経営管理部 広報課
TEL:043-211-1185一般のお客様セイコーインスツル株式会社
半導体事業部 半導体営業総括部
TEL: 043-211-1193

※ 2018年1月5日以降は、エイブリック株式会社(https://www.ablicinc.com)にお問い合わせください。

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