概要
Harshaw 3500 は、「放射線照射された食品の検知法について」においても紹介されているコストパフォーマンスの高いサーモ製TLD3500リーダです。リボン(チップ)、ロッド、マイクロキューブまたはパウダー等、個別のTLD素子に吸収された放射線量を測定します。熱ルミネッセンス(TL)法による Harshaw 3500 は、照射食品の分析に加え、医療物理学および被ばく線量測定のアプリケーションに最適です。
操作は非常にシンプルで、すべてのコントロール(加熱システムのプログラム、高圧調整、データ読取り・転送)は、ソフトウェアWinREMSで行ないます。CRT上に明瞭なグローカーブを表示しますので、ROI設定により正確で精度の高い測定が可能です。加熱プロフィールもグローカーブと共に表示されます。
データの読込みがマニュアル式の3500の他に、一度のローディングで最大50個のTLD線量素子を処理する自動式の Harshaw 5500 があります。5500の詳細はこちらをご覧下さい。
特長
- プランチェット加熱により最高の温度再現性を実現
- 加熱プロフィールはプレヒート、測定、アニールサイクルを含む
- 最大600℃まで加熱できます(オプション)
- グローカーブ取得レンジ最大7桁
- オプションの減光フィルターで高い方の測定レンジを拡大
仕様
- 加熱法: 接触法(温度再現性±1℃以内)
- 加熱プロフィール: プレヒート 0〜999秒で調整可(温度は400℃まで)
- 温度勾配: 1℃/秒〜50℃/秒
- 測定時間: 3 1/3〜400秒
- 最高加熱温度: 400℃(オプションで600℃)
- 読取後のアニール: 0〜999秒で調整可
- キャリブレーション単位: nC, gU, mR, mrad, mrem, μSv, μGy, mSv, mGy, Sv, Gy, R
- 電 力: 100/120/220/240V AC±10%、50/60Hz
- 消費電力: 140VA
- 動作温度: 15℃〜40℃
- 寸 法: 290mm(H)×320mm(W)×290mm(D)
- 重 量: 25kg
※TLD-100(LiF:Mg, Tiチップ)を使用した場合の性能は次のとおりです。
・測定放射能: フォトン;>5keV、ニュートロン;〜100MeV(サーマル)、エレクトロン/β;>70keV
・レンジ: 10μGy〜1Gy(1mrad〜100rad)linear;1Gy〜20Gy(100rad〜2000rad)supralinear
・フェーディング: 熱処理無しの場合;<20%(3ヶ月間);プレヒートまたはグローカーブデコンボルーションをした場合;<5%(3ヶ月間 )TLD素子の詳細は こちら をご覧下さい。